木造建築の良さ
エンジニアードウッド
木の風合いを残しながらも優れた強度性能を実現
エンジニアードウッド(EW)とは、木を原材料に工場で二次加工された木質部材のうち特に強度特性が計算・評価・保証された木材製品です。ラミナや単板を積層接着することで、寸法上の制約が少ない均質の部材を製造することが可能となり、製部材にありがちな木の割れ、節、乾燥による反り、ねじれ等の欠点が分散され、強度や精度が高い部材に仕上がります。また、人工林・間伐材等が製造原料に使用されるため、木材の有効利用が可能となり、製造段階でもエネルギー消費が少なく、地球環境に優しい構造部材です。
木が原料になるため、
木の特性や性質がそのまま活かされます。
- 比重が軽く建物の重量を軽減できる
- 酸・アルカリに耐候性があり海岸近くの施設にも使用可能
- 加工が容易で色々な形状に成形が可能
- 熱伝導率が低く保湿性も良いため結露が生じにくい
- 材質が柔らかく質感」があり体にも優しい
集成材
JASの製造基準に基づいて人工乾燥したひき板(ラミナ材)の繊維方向を互いに平行に積層接着したものです。
LVL
J単板を木の繊維方向に並行に積層接着したものです。繊維方向(縦)への強度が保証されます。
エンジニアードウッド | 鉄 骨 | |
---|---|---|
強 度 | 基礎が小さくコストが低減できる 単位重量あたりの強度は鉄と比べ4倍 |
重量に比例して基礎が大型化する 単位重量あたりの強度が落ちる |
耐 久 | 管理に留意すれば、半永久的といわれている | 結露などで錆がでやすい |
断 熱 | 快適で省エネ型 熱伝導率は鋼材の1/480、コンクリートの1/12 |
夏暑く冬寒い 熱伝導率が高い |
調 湿 | 結露を防ぐ 3m、10cm角の柱1本で1升ビン約1本の調湿能力 |
結露しやすい 調湿能力が皆無 |
吸 音 | 快適な音環境が得られる 音をバランスよく吸収 |
不快な音環境となる 反響が大きい |
塩 害 | 海岸でも塩害対策が不要となる 化学薬品、特に塩分に強い |
化学薬品や塩弱い |
意 匠 | 木の優しさ・ぬくもりが感じられる 構造材を化粧材として使える |
硬く冷たい 化粧材に不向きで化粧カバーが必要 |
防 火 | 燃え代設計を行った場合 火災時でも一定時間必要な耐力が保持される |
被覆がない場合 火災時には軟化する恐れがある |
木は燃えやすいと思っていませんか?
木は断面を大きくすることで逆に燃えにくくなります。鉄は500〜800度で軟化するため、建物の構造自体が崩れてしまいますが、大断面の木材は表面が燃えても中心部までは燃えにくくすぐには倒壊しません。 それは表面に炭化層ができ、それが断熱材の役割をして熱を伝えにくくし炭化速度を失速させるという特性を持っているためです。この特性を活かし消火活動が行われるまでの一定時間に表面が炭化する厚さを設定して それが燃えても建物を支えることができるように部材を設計した設計手法が「燃え代設計」です。
表面は炭化しても中心部はもとの状態を保っている